ベネッセのG-TECが日本の高校の英語教育をダメにしていて見るに堪えない

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聞いた話だが、とある県立のトップ高ではG-TECを受けさせるため、G-TEC対策のワークブック(もちろんG-TECをやっているベネッセが出版)をやらせるらしい。70ページのワークブックで、見開きの勉強時間が30分の目安だそう。すると一冊やるのに35時間かかる。それを2週間後に提出しないといけないそうだ。35÷14=2.5だから、1日2時間半そのワークブックをやらないといけない。高校の宿題としては異常に多い量だ。それで東大や京大の英語の入学試験が解けるだけの力がつくというのならまだいいが、そのワークブックの中身ときたら、やるのがバカバカしくなる内容だという。県立高校としてトップの進学校なら優秀な英語の教師がいるのではないかと思うのだが、なぜそんな時間の無駄遣いにしかならない勉強をさせるのであろうか?校長や教育委員会からベネッセを使えという圧力があるのか?なぜベネッセがそこまで日本の高校に食い込んでいるのか、謎である。自分の目に明かなことは、高校の先生のいうことを真面目に聞いて毎日2時間半ベネッセの教材をやるように生徒は、英語の実力があまりつかないだろうなあということ。高校の先生の言うことを聴く真面目な生徒ほど、英語力が伸び悩むという不条理さ。

問題集には2種類ある。一つは、1問1問解くごとに実力がついていく、良い問題集。もう一種類は、解くのに時間がかかるがその問題集を一冊やったところでちっとも学力が伸びないような問題集。自分が後者の例だと感じたのは、旺文社の標準問題精講とかいう名前の長文問題集だった。いろいろなトピックの問題がただ寄せ集められているだけで、その問題を生徒にとかせる意図といものが全く感じられなかった。前者の代表は、自分がやった中でいえば、伊藤和夫の英文読解教室である。非常にシステマティックに書かれていて、長文を1題1題読むごとに、かならず読解のスキルが身についていく。やればやるだけ読解力が上がるというわけ。高校生は時間が限られているから、漫然と問題を解いて勉強した気になっていてはいけない。勉強は題材選びで、勝負が決まっていると思う。G-TECの問題をやるのは人生の浪費だと思う。

G-TECが日本の大学の入試になってしまうのなら、しかたなしに一回受ければよい。G-TECのための勉強なんてせずに。もっとまっとうな英語の勉強をしておけば、G-TEC対策は不要である。