真実を伝えない日本のメディア:英語から日本語への翻訳で失われる真実

   

トランプ米大統領がエルサレムをイスラエルの首都と正式認定した問題で、国連総会(193カ国)の緊急特別会合は21日、米政府を批判し、認定の撤回を求める決議案を賛成多数で採択した。賛成は128、反対が9、棄権が35だった。(国連総会が米批判決議 エルサレム首都 孤立鮮明 産経ニュース 2017.12.22 10:21)

アメリカの横暴ぶりに呆れるばかりですが、このニュースを見ていて気になったこと。それは英語報道と日本語報道との温度差です。投票に先立って、アメリカは自分の側につかない国には制裁を加えると明らかな脅迫をしました。BBCでも、「エルサレム問題に関する国連の投票:トランプ大統領がアメリカの経済援助国を脅迫」という出だしで報道しています。

Jerusalem UN vote: Trump threatens US aid recipients (BBC NEWS 20 December 2017)

ところが、BBC日本語版では同じ記事の日本語訳にもかかわらず、

トランプ氏、エルサレム首都認定に反対する国への援助停止を警告(BBC NEWS JAPAN 2017年12月21日)

と、しています。threatenは「脅迫する」という意味であって、「警告する」はwarnです。英語にせよ日本語にせよ、どちらの言葉を選ぶかで、受ける印象が全く変わってきます。手元の辞書(研究社中辞典)を見てもthreatenに警告するという訳語は載っていません。なぜthreatenという単語のもつ過激さをトーンダウンする必要があるのでしょうか?こんなことでは、日本語で世界の記事を読んでいる限り、世界で起きていることを肌で感じることは不可能です。

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