東大の英語の文法問題 文法上不用な語を指摘する問題

   

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さて、東大の英語はどれくらいの難易度なんでしょうか?東大英語の核心というPDFにサンプル問題が掲載されていたので、ちょっと紹介します。まずはご自分で考えてみてください。余計な一語はどれでしょうか?

次の英文には、文法上取り除かなければならない語が一語ある。解答用紙の所定欄に、該当する語とその直後の一語、合わせて二語をその順に記せ。文の最後の語を取り除かなければならない場合は、該当する語と×(バツ)を記せ。

Among the many consequences of those political developments was for one that in the end turned out to be too complicated for the government to handle.

こういう問題を見ると、高校生が解くには簡単ではないだろうなと思います。こういう文法や構文を読み取る能力は長文問題に必須のスキルです。是非身に着けてください。英語は左から読むものです。参考までに、自分ならどう考えるかを紹介します。左から読んで次々と単語が目に入ったときに、自分の脳の思考回路はどう働いているかということです。

  • 英語は主語、動詞の順に出てくるのが原則なので、まず主語となる名詞を期待して読み始めます。
  • Among 文の冒頭の単語が前置詞「~の間で」なので、主語ではなく修飾語句から始まっているということ。Amongは前置詞なので次に名詞が出てくることを期待します。
  • Among the many consequences 前置詞、冠詞(これは次に名詞が来るサイン)、形容詞(形容詞は名詞に係るので、名詞が次に来ることを期待)、ようやく名詞が出てきた。次が分の主語になる名詞が出てくるか?
  • Among the many consequences of 前置詞が出てきたので、まだこの修飾語句が続くんだね。前置詞の次なので名詞を期待して読み進める。
  • Among the many consequences of those political developments 前置詞ofの「目的語」となるdevelopmentsが出てきたので、これでAmongから始まった修飾語句が一段落したのだろう。いよいよ文の主語となる名詞が出てくるだろう。
  • Among the many consequences of those political developments was あれ、いきなり動詞?ということは主語が動詞のあとに倒置された形か。
  • Among the many consequences of those political developments was for あれ、主語になる名詞が来ないの?余計な一語を探す問題なので、このforが不要ではと思いながら、先に読み進める。
  • Among the many consequences of those political developments was for one that 名詞のあとにthatが来ているのでこれは関係代名詞のthatだろう。
  • Among the many consequences of those political developments was for one that in the end turned out 関係代名詞thatが作る節の中に動詞句turned outを発見。turn out は、「~であることがわかる」という意味なので次にto be がくることは予測できる。
  • Among the many consequences of those political developments was for one that in the end turned out to be too complicated 「あまりに複雑だということはわかった」
  • Among the many consequences of those political developments was for one that in the end turned out to be too complicated for the government to handle. 「for 人 to 動詞」は、(人)が~するという形。To不定詞の意味上の主語をforで表すというのは定番の表現。
  • 文の最後まで読んだけど、途中のforが文法的に変。これがなければ、残りの部分は文法的にすべて意味を成す。よって、この東大の問題の解答を指示通りに書くと「for one」ということになります。
  • 倒置をあえて通常の語順にするならば、One (that …) was among the many consequencesという形になります。

さて、こういうことを文を読みながら常々考えていれば、東大の問題といえどもサクッと解けてしまうというわけです。受験テクニックとか、解法のテクニックといった類のものは一切不要です。頭からしっぽにむかって英文を読んでいくだけで解けるからです。では、このような思考回路を私はどこで手にいれたのでしょうか?こういう英文の読み方が訓練できる参考書としては、自分の場合は、伊藤和夫「英文解釈教室」を使いました。古い本ですし、掲載されている英文も古臭くて読みにくいのですが、その読みにくさが、英語を文法の規則に則ってロジカルに読んでいく訓練には案外良かったりします。自分の場合、「英文解釈教室」を読破するのに、高3の半年を費やしました。かなりタフだったと記憶しています。同じ著者でもう少し読みやすく書かれた、「ビジュアル英文解釈Part I,Part II」という本があります。こちらの方がもっと広い読者に対して勧めることができます。著者が伝えたいこと、読者に課すトレーニングは同じなので、あえて難解なほうを手にする必要はないかと思います。目的は文法規則に則って英文を頭から読み進める訓練なのですから。自分は書店に行くと受験参考書のコーナーに立ち寄って英語の参考書をパラパラ見てみるのですが、このように徹底的に英文規則に則って読む訓練を系統だてて書いた本は、不思議なことに伊藤和夫のこれらの本以外見当たりません。英語力を効率よくアップさせたければ、ビジュアル英文解釈Part I,Part IIに取り組むことをお勧めします。前書きにもありますが、この本は意欲のある中学3年生でも読み始められるように書いてあります。全2冊の内容を体に叩きこめば、難関大学の英文であろうが何であろうが、読めるようになると思います。

長文問題を羅列しただけの問題集に手を出しても、効率の良い学力アップは期待できません。筋トレでも、自分がこの運動で今どの筋肉を鍛えているのかを意識したほうが筋トレ効果が高いと聞いたことがあります。それって、英語でもまさに同じことで、だらだら長文を読むのでなく、この長文の例題はこういうスキル(例えば、主語を見つけること)を習得するために取り組むんだと意識して勉強することが大事であり、伊藤和夫の本はそのように書かれています。

ちなみに頭からお尻に向かって読んでいくというのは、当たり前すぎるくらい当たり前のことですが、下手に塾などで受験テクニックなどを習ってしまうと、当たり前のことから遠ざかってしまい、当然のことながら、大学合格からも遠ざかってしまいます。英語のリスニングのことを考えてもらえば、文頭から読む以外のことをやりようがないことは当然でしょう。リスニングは書かれた順番で話されるわけでそれをリアルタイムに理解していく作業ですから、長文読解とやっていることは変わりません。つまり、長文を当たり前に読む訓練さえすれば、その思考回路はそっくりそのまま英語のリスニングにも役立つのです。素直に取り組む勉強法にまさる受験テクニックはないのです。一部の人だけが塾で習う受験テクニックを知らないと大学入試問題は解けないと思っているのなら、それは大間違いです。常識的な頭の使い方をすること、言い換えれば、地頭(じあたま)の良さを鍛えておくことです。じゃあ、地頭って何ということになりますが、問題にまっすぐ向き合う素直さでしょうか。

 

参考

  1. 東大英語の核心 関 正生 PDF
  2. 英語1問1答_これでどや!!その12(東京大学)2012-02-17 20:54:40 タロくんの受験生応援ブログ

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