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USオープン2018の表彰式の動画を見ていて、自分は、優勝した大坂なおみ選手がI’m sorryと「謝罪」していたと受け取りました。日本で「勝ってごめんなさい」と言ったという記事が出たみたいですが、それに対して、それは誤訳だという記事がでました。

大坂なおみ 「勝ってしまってごめんなさい」は日本メディアの誤訳 2018年09月10日 19時20分 ニッポン放送

たしかに「勝ってしまって」とは英語で言っていないのですが、誤訳とするポイントは、sorryには「謝罪」の意味だけでなく、「残念」という意味もあって、この場合は、「残念」と言ったにすぎないということのようです。誤訳の指摘という記事には指摘した人が誰なのかが書いていなかったので、いろいろ調べてたら、ブログの記事がありました。これが元の指摘で、これをいろいろな大手メディアが伝えているようです。

さらに、授賞式での大坂さんについて、「ブーイングの中で始まった優勝インタビューでは『勝ってごめんなさい』とひと言」という文もあるが、これは明らかな誤訳で、彼女は「勝ってごめんなさい」などとは言っていない。

I’m sorry it had to end like this.は「このような終わり方になったことは残念です」であって、謝罪ではない。(sorryという単語が出てくると謝罪だと思うのは間違い。たとえば親しい人を亡くした人に、I’m so sorryというのは普通のことで、悲しみやシンパシーや遺憾の意を表現するのにもsorryは使われる。)テニスの試合の報道でもこのようなことがあるのだから、国際情勢についての報道でどれだけこうしたことがあるのかと思うと、恐ろしい気持ちになる。(吉原真里 2018年09月10日 07:48USオープン ウィリアムズ=大坂 ドラマにみるマイノリティ女性選手の葛藤と連帯 BLOGOS)

この指摘をされている方は、日本人ですがアメリカ在住歴が長く、現在はハワイ大学教授だそうです(参照:ウィキペディア)。しかし、試合や表彰式の動画を見ていた自分には、どうみてもあれは「謝罪」だったとしか受け取れません。実際、いろいろな記事を見ても、なぜ大坂選手は「謝罪」したの?という記事が溢れかえっています。大坂選手は質問に答えて、なんとなく謝罪しないといけない気分になったということのようです。これが「残念」の意味だったら、これほどみなが違和感を覚えて、なぜ謝罪したの?と聞いたりしないでしょう。なので、これは誤訳ではないと思います。I’m sorry it had to end like this.という言葉の和訳は、自分なら「こんな終わり方になってしまってごめんなさい。」とします。こんな終わり方の中身はというと、大坂なおみ選手がセリーナ・ウィリアムズ選手に勝ってしまったことも含むし、セリーナが荒れ狂って試合がぶち壊しになったことも含むし、いろいろなことが起きたので、単に勝ったことだけではないです。なので、「勝って」と訳すのは意味が狭くなりすぎるので不適切でしょう。