Advanced Grammar in Use (Martin Hewings)sのユニット3は、動詞の過去形と現在完了に関する章ですが、the frist timeの後の節の中では完了形が使われることが一般的であると説明されています。なぜ?という説明はありません。この本は高評価のGrammar in Use (Intermediate)の上級編として位置づけられているわけですが、「こういうときはこういう形を使う」という説明に終始しており、考え方までは教えてくれまんので、この上級編だけで勉強しても文法が体に入らないのではないかと思います。日本の学校の英語教育だと完了形の意味は完了・継続・経験と教わりますが、この日本式理解のほうがしっくりくるのではないかと思います。もっともこの3つが全然違う意味に感じられるとまずいので、これらを統一的に理解させるための説明としては『総合英語FOREST』の解説が秀逸だと思います。結局、FORESTはお勧め、というか文法を基本から学びたい人はFOREST一択というのが今の自分の考えです。FORESTで難関大学まで対応できますか?という質問をネットで見かけることもありますが、それは愚問でしょう。基本が身につかない本でどれだけ勉強しても、無意味ですから。FORESTに書いていない知識を問う問題が難関大学で出題されるか?というと、確かに出題されています。ですから、FORESTで文法事項を完全に理解したあとで、腕試しとして難関大学の出題レベルに合った問題集をやる必要はあります。
前置きが長くなりましたが、本題に入ります。ネットを見ていると、It/This is/was the first time (that) +完了形の形で、ITは何?とか接続詞THATはWHENなどに置き換え可能かとか、ITとTHISの違いはとかいろいろな質問が出ていて、それに対する回答もあったので、忘備録としてメモっておきたいと思います。
“When I met him for the first time, he was … ” という言い方はできます。これは、
The first time for which I met him, he was … とも言い換えられるでしょう。また、
The first time (that) I met him, he was … とも言えると思います。つまりこのthatは、”for which”であり、節の中での役割は「副詞」になっています。ということは、このthatは接続詞や関係代名詞ではなくて、関係副詞と考えられそうです。しかし、ネットの掲示板では「関係代名詞thatの関係副詞的用法」というややこしい説明もありましたので、ちょっと判断は保留しておきます。
本題はここなのですが、the first timeのような語句と共に用いられた場合には節の中は完了形を用いるのが一般的だそうです。言葉というのは時代とともに変化しますし、くだけた表現かどうかでも変わりますし、使う人の年代でも変わりますので、過去形は絶対にダメなのか?という疑問もあまり意味がないでしょう。ちゃんとした英文だと思ってもらいたければ、ちゃんとした規則に則った語法で書きましょうということだと思います。それは、日本語の場合を考えたら明らかでしょう。日本語として日常表現としてはOKだけど、あらたまったシーンで使ったら教養が疑われるよねというのと同じです。
that節のかわりにto不定詞も使えるか?
これは使えないみたいですね。知りませんでした。英語は怖いです。理屈では正解が導き出せませんから。
This is the first time の後ろに [to 不定詞] を続けることはできません。
形式主語itの文の YAHOO!JAPAN知恵袋 :節を導く that は接続詞です。その中で、節の中の名詞の働きを兼ねているものを関係代名詞と呼んでいるだけです。;that節に語句の欠落のない場合は「接続詞」であり、that節に名詞の欠落がない場合でも副詞が欠落してれば「関係副詞」で、that節に名詞の欠落がある場合は「関係代名詞」である。つまりthat節には「接続詞/関係副詞/関係代名詞」の3つの可能性がある。