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イギリスの諜報機関MI6の元職員が作成したという怪文書にはドナルド・トランプ氏がロシア政府と長年にわたってつながりを持っていたことや、トランプ氏の性的な行為に関することが書かれており、これが世間に出回った当初は、トランプ氏はその内容を前面的に否定していました。しかし、少なくともこの文書に記載された内容の少なくとも一部に関しては事実であったという裏付けが得られたと報道があり、トランプ政権は早くも存続の危機に瀕しています。

この35ページの文書は、バズフィードが1ヶ月ほどまえにネット上で公開しました。

⇒ バスフィードが公開したロシア文書に関する記事

トランプ氏は、ロシア文書に関して、裏付けがないフェイクニュースだと強気で否定してきました。まだ具体的にどの部分が事実と確認されたのかについては情報がありませんが、「少なくとも一部は事実」ということになれば、説明を求められ、窮地に立たされます。

CNN Reports US Investigators Have Corroborated Some Parts of Russia Dossier

上のニュース動画に対応したCNNの記事:US investigators corroborate some aspects of the Russia dossier (By Jim Sciutto and Evan Perez, CNN Updated 2225 GMT (0625 HKT) February 10, 2017)

英単語

  • corroborate 証拠を挙げて~が真実であることを裏付ける (参考:アルク)
  • dossier 調査書類

さて、このロシア文書に書かれた内容ですが、トランプ氏は否定し続けていますが実はロシアと長年にわたってつながりがあったということや、破廉恥な性的行為についての報告があります。大手メディアは「ドナルド氏にとって不名誉な内容」といったぼかした表現しかできないくらいに下劣な内容です。デイリー新潮の記事を紹介します。

ロシア当局にとって成果を生んだのは、(中略)トランプの個人的な執着及び性的倒錯を利用することであった〉 との前置きに続き、〈具体的には、トランプが嫌悪していたオバマ大統領夫妻が、ロシア公式訪問の際に宿泊したとトランプが承知していたモスクワのリッツカールトンホテルのプレジデンシャルスイートルームで、多くの売春婦を雇い、眼前で“ゴールデンシャワー”(放尿ショー)を行わせることで、オバマ大統領夫妻が寝たベッドを汚したという〉〈このホテルはロシア連邦保安庁の監督下にあり、必要とあらば何でも記録できるよう、すべてのメインルームには、マイクロフォンと隠しカメラが仕掛けられていた (ロシアで売春婦を雇って… トランプの「ゴールデンシャワー」文書(週刊新潮2017年1月26日号 掲載)

該当箇所の英語を見てみましょう。バズフィードが公開した35ページの文書の2ページめにあります。

However, there were other aspects to TRUMP’s engagement with the Russian authorities. One which had borne fruit for them was to exploit TRUMP’s personal obsessions and sexual perversion in order to obtain suitable ‘kompromat’ (compromising material) on him. According to Source D, where s/he had been present, TRUMP’s (perverted) conduct in Moscow included hiring the presidential suite of the Ritz Carlton Hotel, where he knew President and Mrs OBAMA (whom he hated) had stayed on one of their official trips to Russia, and defiling the bed where they had slept by employing a number of prostitutes to perform a ‘golden showers’ (urination) show in front of him. The hotel was known to be under FSB control with microphones and concealed cameras in all the main rooms to record anything they wanted to.

英単語

  • engagement 約束;契約
  • bear fruit  実を結ぶ
  • exploit  (資源などを)利用する
  • obsession 執着
  • perversion 曲解;乱用;性的倒錯 pervert 誤用する;曲解する
  • compromise 名声や名誉を傷つける
  • defile  汚す、けがす
  • prostitute  売春婦
  • golden showers ゴールデンシャワー 性的な行為の一環としての排尿行為
  • urination 排尿
  • concealed camera 隠しカメラ
  • blackmail 脅迫する;ゆする

アメリカの大統領の性的に倒錯した行為を隠し撮りしたビデオテープをロシアの大統領が持っていて、それを材料にアメリカの大統領を脅迫して思い通りに動かそうとしているのだとしたら、まさに事実は小説より奇なり(Truth is stranger than fiction)ですね。ロシアが隠し撮りしたドナルド・トランプ氏のセックステープが流出するようなことになれば、さすがにトランプ政権は持ちこたえられないのではないでしょうか。

ロシア文書 (the Russia dossier)を読みあげてくれている人がいたので、そのYOUTUBE動画を紹介します。文書を目で追いながら音声が聞けるようになっています。ロシア文書でリスニングの勉強をしましょう。
MI6 Agent Steele’s Dossier on Trump, Putin & Russia // by ScottManJO

 

参考ウェブサイト(2017年1月にロシア文書が暴露された当時の報道など)

  1. トランプ氏とロシアめぐる疑惑文書 BuzzFeedによる全文公開とその反応 (BuzzFeed 2017/01/12 17:15)
  2. トランプ氏のロシア関連文書、著者は元英秘密情報部職員=関係筋 (ロイター 2017年 01月 13日 12:47 JST):”ロシアが入手したとされるトランプ次期米大統領に関する不名誉な情報についての文書を記したクリストファー・スティール氏は、英秘密情報部(MI6)の元職員だったことが、関係筋の話で明らかになった。”
  3. トランプ氏のロシア疑惑を知る5つのポイント(Financial Times / 日本経済新聞 2017/1/12 14:45):”1月10日には、あぜんとするような新たな展開がもたらされた。米国の情報機関がトランプ氏に対する一連の不利な疑惑について大統領と次期大統領の双方に報告したというニュースが流れたのだ。疑惑が盛り込まれた文書が公開されたため、今や周知の事実となった。”
  4. Trump Sex Scandal Russia 2017 (2017/01/11 に公開) Allegedly, while trump was visiting russia a few years ago, his hotel was bugged by Russian intelligence, and recordings of hime acting in lewd sex acts were recorded in various parts of Russia. Trump 100% denies the allegations and has lashed out at the news outlets for allowing fake news to spread.